碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

羽根田治「ドキュメント生還ー山岳遭難からの救出」

ずっと部屋に閉じこもって同じことを繰り返していると、時には気分を変えて他の

分野に触れたくなります。私はあまり順調な人生を送っていると言いきれない現状

ですが、幸いまだ知的好奇心やオタク心を失っておりません。表面だけ触れて満足

する場合が多いのはともかく今回は新規開拓、「山岳遭難」がテーマの一冊です。

 

山の自然の美しさに魅了されたごく普通の人々を襲った苦難。文明社会から隔絶

された山岳は、恐ろしい顔をも持っている。やってはいけないことは分かっている

はずなのに、いつのまにか危険にはまり込んでしまいます。彼らはどのようにして

生命の危機に陥ったのか? そしていかにして帰ってくることができたのか…?

実際に起った8つのケースをもとに解き明かしていくドキュメンタリー本です。

 

 

※ 日本の複数の山岳関係団体が緊急事態宣言下の登山の自粛を呼びかけています

 

 

ドキュメント生還 山岳遭難からの救出

著者:羽根田治   発行:山と渓谷社

 

 

ざっくりとした感想

 

はてなブログは時々過去の記事を振り返ることをお薦めしてくれます。昔の私は

このブログに「華」が無いことを嘆いておりました。今もって改善の様子が見られ

ないようです…しかし山岳遭難のドキュメント本があると知り、試しに一冊入手

したくなりあまたの書籍の中から選んだテーマが「生還」だっただけ、前向きな

精神の顕れと思いたいです。多くの登山者が命を落とす有名な事故ばかり追って

いても憂鬱になりそうですし。

 

でも、やっぱり遭難は遭難。ショッキングな内容が込められていました。小学生の

ころは世間知らずのためか想像力が育っていないせいか太平洋戦争に関する本を

何冊も読んだ私ですが、現代日本を実話を収録した書籍で傷口にうじむしが涌く

シーンなどを目にするとは思いませんでした…。17日間も無人の山を彷徨う。

全身に大けがを負いながら、雪洞に閉じ込められながら何日も一人で生き延びて

ようやく救いの手が差し伸べられる…救いを求めて「生還」をテーマにした作品を

選んだものの、生還できたら終了じゃ無い、傷とともに生きていかなきゃなら

ない…とても恐ろしいお話ですね。安全な自宅でも、何も行動しないで1日が終わ

るのを待つのは相当な苦痛だと思いますが、誰もいない山の中で身動きが取れず

ただ救助がくるのを待ち続けるだけなんて、とても耐えられないかもしれない。

 

遭難されたご本人や関係者に取材し、事故当時の状況や遭難者の心理が丁寧に記述

されており臨場感に溢れてドキドキハラハラしながらとても読みやすく、一気に

読了しました。ただ、山の素人にとっては山の名前と周辺地図だけ載せられても

そこがどこか全然分からないので「何県の」って説明が欲しかったです。

お恥ずかしいことですが「ヤマケイ文庫」「山と渓谷」なんて存在も今まで全く

知らなかったもので…。縁ができたからにゃ今後ともよろしくお願いいたします。

 

↓以下、文字数稼ぎ

 

最近「山」に関心をもった要因はたまたまトムラウシ山の事故に関する動画を

観たことですが、世界最高峰の山の名前を上から並べるだけでかっこいいですね。

エベレスト、K2、カンチェンジュンガ、ローツェ、マカルーチョ・オユー

ダウラギリ、マナスルナンガ・パルバット、アンナプルナ… 「K2」が特別感

あって好き。14番目までが8000m級、100番目までも7000m級が続く

もんだからますます世界の広さを感じさせられます…。まだ人間が登頂できてない

山も数多く残ってるようですね。触れられない領域があった方がロマンがあるし

人類のためだと私は思います。

 

ヒマラヤと言わずとも国内ですら(と、いっても日本の山だって生命にかかわる)

虫嫌いで体力の無い私は登山をやる気はまったくないけれど、山の美しい自然に

憧れる気持ちは強く持っています。科博も行ってないし、行きたい外国もまだたく

さんある。人生まだ何にも見られてない。何もできてないなー。

 

 

 ↓こちらも読んでみたい一冊

十大事故から読み解く 山岳遭難の傷痕

十大事故から読み解く 山岳遭難の傷痕

  • 作者:羽根田 治
  • 発売日: 2020/01/23
  • メディア: 単行本