碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

ヤマザキマリ とり・みき「プリニウス」 9巻

あー、旅に出たい…心のまま、気まぐれに、行きたくなった場所をうろつきたい…

そんなあなたにお薦めする、プリニウス元総督(代理)と行く古代ローマ世界紀行、

第9巻です。舞台はギリシア、そして古都ティルス…。

 

プリニウス9 (バンチコミックス45プレミアム)

プリニウス9 (バンチコミックス45プレミアム)

 

 

プリニウス Ⅸ巻

著者: ヤマザキマリ  とり・みき

発行: 新潮社  バンチコミックス45プレミアム

「新潮」連載中

 

 

 

 ↓前巻の感想はこちら

blueflag01.hateblo.jp

ざっくりとしたあらすじと感想

神秘の巨像の残骸に出迎えられロドス島に上陸した博物学プリニウス一行は早速

皇帝ネロの使いに捕まってしまいました。ネロがギリシア行幸中だったばかりに!

久々に対面した皇帝は孤独感とプレッシャーからかますます精神の荒廃が進んで

いました。憧れの地グラエキアに立てたと感激し、各地で競技会や演奏に熱中する

傍ら、ケシの花から取れる薬に溺れ、自分を神だと思い始めています。そんな彼を

前にプリニウスは相変わらず感情を出さずにただ淡々と対応するのでした。

その超然っぷりのせいか何故かネロに気に入られちゃうもんだから困りもの…。

 

プリニウスがネロと対面する少し前、パルティア戦役を終わらせた英雄コルブロが

ローマに凱旋し、ネロと再会します。誰もが賞賛するローマ最高の将軍である彼に

謀反の疑いが浮上しました。最初はコルブロの裏切りなど信じなかったネロですが

疑心暗鬼の末に自死へと追い込みます…。名将の死に帝国中に衝撃が走りました。

コルブロはともかくとして、広大な帝国を真面目に統治する気の無いネロに反感を

抱く者は増える一方で…!?

 

プリニウス一行もコルブロの死の知らせに動揺を隠せませんが、できることは何も

無い…とそこそこ満喫したギリシアを発ち、同行していたカラス使いの子どもの

故郷にしてかつてのフェニキアの都、ティルスに到着するのでした。

 

※※※

 

ネロがいるせいなのか、思っていたより短かったプリニウス一行のギリシア滞在。

主役の探求の旅と同時にローマのドロドロの政治劇もどんどん進行しております。

私の中でかなり記憶が薄くなってしまった「ローマ人の物語」の中でもすごい武将

だってことは覚えててこのマンガでは序盤に名前が出たきりだったコルブロ将軍が

とうとう登場。相当ヤバい状態に陥っているネロですら彼を信頼していましたが、

陰謀に勝てずあっさり退場…娘さんとウェスパニアヌスの次子ドミティアヌスとの

間にフラグが立ちました。奸臣ティゲリヌスもやたらネロに痛いところを突かれて

いるので決して安泰な立場じゃありません。まだまだドロドロし続けそう。

 

ローマのプリニウス邸でもある出来事が起りましたが、肝心な主の帰還はいつに

なるのか…ネロの年表から推測すると旅に出てから5年くらい経ってるかと。ティ

ルスの後はどこへ行くつもりかな? 寂しいお別れを経て、また新たに可愛い子が

加わることを、留守宅で平穏な日々を手に入れた"彼女"がまたどこかへ行ったり

しないことを祈ります…。

 

166ページの4コマ目の背景がギャグなのかマジなのか気になって気になって

仕方がありません。それとこのマンガは思わせぶりに出ておいて音沙汰の無い人

たちが多い印象です。例えばポッパエアからローマ放火犯の逮捕を命じられた

将兵とか。そしてポッパエアの身代わりを用意した女性は何者? とかね…。