碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

よしながふみ「大奥」 17巻

厳しい残暑が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。

男女逆転時代劇「大奥」、待望の新刊です!! 時代は幕末、名前だけ新撰組が登場。

なぜ家茂様のお顔色が悪く見えるんだあああああああああっ(号泣)な17巻です。 

そして裏表紙の刺繍が美しいですね。

 

大奥 17 (ヤングアニマルコミックス)

大奥 17 (ヤングアニマルコミックス)

 

大奥  17巻

著者: よしながふみ  発行: 白泉社 ヤングアニマルミックス

白泉社 月刊「MELODY」連載中

 

 

 ↓前巻の感想はこちら

blueflag01.hateblo.jp

 

ざっくりとしたあらすじと感想

 

皇子・和宮の替え玉として江戸城大奥入りした姉の親子(ちかこ)は「妻」である

14代将軍家茂の誠実な優しさに接することで徐々に心を開き、御台所としての

ふるまいを身につけていきます。幕府が「公武一和」したいと頼むから京から来て

やったんだ、と大いばりだった官人と元々大奥にいた武士たちの争いも鎮静化して

いきました。しかし、親子に同行した実母の観行院は京に残った本物の和宮を想う

あまり心を患っていきます。彼女の可愛い我が子は息子のみ、片手の無い娘は全く

眼中に無かったのです。元々母を独占したくて替え玉になった親子は改めて思い

知らされた現実に打ちのめされるばかりでしたが、母のために家茂に懇願し、京に

戻す手はずを整えてもらいました…。自分のわがままのせいで家茂らを振り回して

しまったことを詫び、本当にひとりぼっちになったと泣く親子を、自分がいる、と

包み込んだ家茂。例え本当の夫婦でなくても、男と女ですらなくとも、二人の

新しい絆を築いていく、と誓うのでした。

 

上洛した家茂は孝明帝に謁見します。外国人嫌いの彼ももはや攘夷は不可能だと

薄々察しており、周囲の人間に振り回され思うようにいかない苦悩を共有できる

存在であり、うら若きおなごの身でありながら命に替えても帝を守る、と誓った

家茂を頼りにします。江戸に嫁がせた和宮の替え玉である親子のためにも一筆した

ためてくれました。逆に聡明・英邁と期待されていたはずの一橋家の慶喜は気位が

高すぎ、彼の他者の心に配慮しない言動によって諸侯の心はますます幕府から遠ざ

かっていきました。基本的に人の美徳を信じる家茂にすら「こいつはまずい」と

思わせる始末…。しかし、勝海舟を始め家茂のためなら幕府に尽くそう、という

者はまだ数多くいました。

 

自分がしっかりしなければ、とばかりに政に意欲を燃やす家茂。彼女の側には

親子がいました。困惑しながらも家茂を大切に思い、新しい徳川、新しい日本の

ための協力者になりつつありました。後継者として田安徳川家から養子を迎え、

人の親にもなりました。しかし二人が平穏に過ごすわずかな時間すら奪うように

繰り返される政変、上洛、激務は徐々に家茂の身体を蝕んでいきます…。

 

※※※

 

やっぱ慶喜がダメって路線なんだ…。

 

親子の母への届かぬ思いの悲しさと愛猫さと姫を追い回す天璋院(多分ヒマ)のほの

ぼのモードとのギャップですよ。さと姫に嫌われてると指摘されて「大奥」恒例の

暗転、この世の終わりのような表情を浮かべる天璋院…。17巻は親子の眉が寄り

まくってて楽しい。感情を発するのは良い変化です。お母さんのことはどうにも

ならなかった…腹は立つけど本当にどうにもならなかった…

 

その一方でここ1年月のものが無い、という言葉が家茂の小さな身体にのしかかる

将軍職のすさまじい重圧を表わしているでしょう。単純に同性愛というのでもない

女性同士の協力関係という形に持っていったのは感心します。…でもこれ、家定と

胤篤の時と同じパターンだ…御台所とともに困難に立ち向かおう、新しい日本を

築こう、と希望を抱いては砕けていくのか…一緒にいられる時間が短すぎる…

あぁ、切ない…

 

 

シーボルトの娘・いねも短い登場でしたが強烈な存在を放っていました。

 

 

次巻は2020年初夏発売予定…!!

 ↓我等が白ネコ姫、玉之丞ことあなごさんが最近亡くなられたとのこと。合掌。

ねこ自身 2匹め (光文社女性ブックス VOL. 158 女性自身MOOK)

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