碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(下)

ハリウッド版ゴジラ続編の感想後編。先週建前上の感想を書いたので…いえ、映像

技術が高いしハイテンポで2時間退屈しないし魅力的な演出が山ほどあるし音楽・

音響も申し分なくすごいと感じたのは本当のことなのですが、個人的に強い思い

入れのある、シリーズごとのゴジラの身長体重や戦闘機の種類なんかさっぱり分か

らないけどとにかく思い入れのある「ゴジラ映画」として観ると言いたいことが

山ほどある、という本音のターンです。

 

あくまで独断と偏見と個人的こだわりに基づいておりますし1回しか観ておらず

解釈が誤っていたり見落としがあるかもしれません。それとネタバレ注意。

 

 


映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』特別メイキング映像/音楽:ベア・マクレアリー

 

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ

(原題:Godzilla: King of the Monsters)  2019年公開

製作 : アメリカ合衆国  レジェンダリー・ピクチャーズ

配給 : ワーナー・ブラザーズ/東宝  上映時間 : 132分

監督 : マイケル・ドハティ  音楽 : ベアー・マクレアリー

出演 : カイル・チャンドラー  ヴェラ・ファーミガ

    ミリー・ボビー・ブラウン  渡辺謙 他

 

 

 ↓前編です

blueflag01.hateblo.jp

 

 

すごい映画のはずなのに何かしっくりこなかったり満足できないと思った点。

 

まず、怪獣と人間が接近するシーンが多すぎること。そこがCGの利点なんです

けど、怪獣はアップばかりになってあまり全身を見せてくれてないんですよね。

着ぐるみ特撮時代でもよくやった、粗を見せないための夜間の戦闘に、嵐の中の

戦闘もやっちゃってるから余計にわかりにくい…。着ぐるみ特撮は怪獣同士がプロ

レスしたり単身で破壊しまくるシーンが多くて、人間はだいたい遠くから眺めてる

しかない、という構図に慣れちゃってるから余計に気になりました。

 

というかゴジラさん、すぐ目の前の人間を認識しながらスルーし過ぎ。

 

次に、私はキングギドラが大好きなので、もっと着ぐるみの名残たる重厚感が欲し

かったです。登場シーンが炎に包まれていないのは火山をホームにしてるラドン

かぶるから仕方ないとしても、このギドラはダッシュしちゃうんだもの。ドタバタ

動き回りすぎる。あれだけ大きくて強いのに一人や二人の人間にこだわって執拗に

追い回す姿はみっともないと感じました。宇宙怪獣設定なら今度こそ昭和時代の

鳴き声にして欲しかったし…ちょっと名残はあったけど…どうしてあの鳴き声じゃ

ダメなのさ? いつものように操られてるのに。

 

何よりも一番引っかかった点はですね、ゴジラを復活させるため、という名目で

核爆弾を使用することですよ!! 人類を救うために、と核兵器を肯定したんです。

いくら正式に権利を買い取ったからって、日本のゴジラとは設定が違うからって、

ゴジラ映画でこれをやっちゃあダメでしょ!! 私は核兵器絶対根絶とか憲法9条

絶対死守とか声高く叫ぶ気は無いけどゴジラ製作に込められた願いを尊重してきた

つもりです。空を飛んだってシェーをしたってフキダシでしゃべったって最低限

守られ続けていた願いを、です。かつて同じことをやった「ゴジラVSキング

ギドラ」の日本は後で手痛いしっぺ返しを受けましたもの…!

 

…しかし、劇中、1度しか観ていないからうろ覚えなのですが、悲しみを癒すには

悪魔を許すしかない、と語られるシーンがありました。過去を許して先の世界を

見ろ、と。つまり、この映画の製作者側…アメリカの人々は、ずっと言いたかった

ことがあったとも受け取れます。(個人の解釈です)

 

「なぁ日本よ、原爆のことはもういいだろ?」

 

芹沢博士の止まった時計がとうとう役割を終えそうだ…と思うのは、大間違い。

ゴジラを復活させるために核を使うと決められた瞬間に芹沢博士は死ぬしかなく

なったと感じました。製作者側も、もういいだろ? と投げかけてはみても本当は

分かってるんでしょうね。日本人は原爆を忘れるくらいなら止まった時を抱えて

滅ぶかもしれないと。我々が心からわかり合えることは無いのかもしれません。

ゴジラを「友」と呼んだ芹沢博士の気持ちを…。「正しい核兵器」でうまくいった

その先の世界はひどく人間に都合のよいもので、ひどく白々しく映りました。

 

…芹沢博士と助手(「シェイプ・オブ・ウォーター」の主人公や「パディントン」の

ブラウン家の奥さんの人)の退場は残念でしたが、主人公一家のお母さんが報いを

受けて良かった…この人だけは本当に生き残ったらダメな人です。この一家のこと

まで書く余裕が無いけどお母さんは相当にアレな人です。

 

 

バーニングゴジラ形態にしたって、見た時はテンションが上がりましたけど、前作

以上のオーバーキルをかましてエネルギーを発散しきったためかあっさり元に戻り

ましてね。これでゴジラが崩壊して周辺地域に深刻な核汚染が残るか、ゴジラ

失った人類が今後自分たちだけで残りの怪獣に対応しなければならなくなる展開

だったら納得するのに…。都合が良すぎるんです。

 

オキシジェン・デストロイヤーだってね、出たはいいけどただのすごい爆弾なの

ですよ。これがあったから米軍は怪獣を倒せる自信があったのでしょうね。でも、

使うことに葛藤は全く無い。こう考えていくと、山ほど散りばめられた原作オマー

ジュの数々も、意味を理解せずただやっただけ、のような気がしてきます…。

 

第一ゴジラさん、必死で戦ってる最中に爆弾をぶつけられた。傷ついた身体を休め

てた家をぶっ壊されて無理矢理起こされた…普通怒るでしょ! 人間なんか助け

ないでしょ。あの古代遺跡のシーンや地球空洞説や髑髏島の存在アピールもやり

すぎでうんざりするんですよ。敵意が無ければ、邪魔をしなければ攻撃しない…

どころか人間が窮地のところをかばっているような描写が多すぎる。「結果的に

助けてる」程度でちょうどいいのに。

 

それでも人間は地球が産んだ生物だからゴジラ的にギドラよりはマシだったんで

しょうか。それとも反抗的なくせに甘ったれなどうしようもないバカ息子に泣き

つかれて渋々しりぬぐいに乗り出す大御所なお父ちゃんのような気分だったんで

しょうか…。たしかにレジェゴジはくたびれたおっさんくさい。

 

 

ずっと公開の日を楽しみにしていた映画をとうとう観終わってしまいました。残念

ながら私にとっては消化不良のようです。こんなに不平不満ばかり書くことになる

とは思いませんでした…。期待しすぎたんでしょうね。新たな時代のゴジラ

「モンスターバース」という新しい世界観に組み込まれて日本のゴジラとは異なる

道を逞しく歩いて行くんでしょう。他国生まれのものを自国風にカスタムしちゃう

のは日本のお家芸。逆をやっちゃダメとは言えないかも。今はただ、彼の後ろ姿を

見送るしかありません…とても寂しいけれど。

 

とはいえ、これでもう複数の日本産怪獣が大暴れする映画は作られないんだろうと

思うとやりきれません。3大怪獣以外の連中、マンモスだのクモンガもどき(ハリ

ウッドは何かにつけてクモを出すのやめろクモなんか大嫌いだ!!)だのムートーだの

には全然惹かれないのです。キングコングにもほとんど興味が無いし…。「シン・

ゴジラ」の続編はもっと要らないし。あぁ、一体これからどうしたらいいの…? 

 

 

…とりあえず、アマゾンプライムゴジラの過去作品を無料配信してる間は満喫

しようと思います。

 

 

ゴジラ ムービーモンスターシリーズ ゴジラ2019

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