碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

映画「ピーターラビット」&「ウィンストン・チャーチル」

イギリスを舞台にした、ただし方向性は異なる…いや、どっちも皮肉めいた冗談を

言いつつ己の領域を守るために激しく戦っているから実はあまり変わらない?…な

二本の映画の感想です。

 

 


映画『ピーターラビット』予告

 

ピーターラビット

公開 : 2018年  製作国 : アメリカ合衆国・オーストラリア・イギリス

配給 : コロンビア映画ソニー・ピクチャーズ  上映時間 : 95分

原作 : ビアトリクス・ポター 「ピーターラビット」シリーズ

監督 : ウィル・グラック  音楽 : ドミニク・ルイス

 

 

かなりざっくりとしたあらすじと感想

 

イギリスの美しい田舎町・ウインダミアには昔から多くの野生動物が暮らして

いました。野ウサギの子・ピーターラビットは両親の死後、従兄弟や三つ子の妹

たちと一緒に偏屈な独居老人・マクレガーさんの庭の畑から野菜を盗んだりいた

ずらをする楽しい日々を過ごしていましたが、怒ったマクレガーさんにパイにされ

かけたところを近所に住む絵描きの女性・ビアに助けられます。彼女はピーターら

ウサギをとても愛し、可愛がっていました。ピーターも彼女が大好きでした。

 

ある日また庭に侵入したピーターラビットを捕まえようとした老マクレガーさんが

心臓発作で急死し、お屋敷と庭はピーターたちのものに…なったと思ったら今度は

相続人である親戚のマクレガーさんが現れました。都会育ちで神経質なマクレガー

さんはウサギを毛嫌いし、徹底的に庭から締め出そうとしました。頼みの綱はビア

…しかし若く美しい彼女と若いマクレガーさんはどんどん惹かれ合っていきます。

このままでは庭もビアも奪われる…! 憤慨したピーターラビットはマクレガー

さんを追い出すため、家族とともに戦い始めるのですが… … …

 

※※※

 

日本でも昔から愛されているキャラクター「ピーターラビット」の初の実写映画

化…って、原作の絵本もこんなドタバタコメディなんでしょうか? もっと心の

温まるお話をイメージしていました。たしかにウサギたちは可愛らしいけれど、

どうしても人間の世界の「庭荒らしは迷惑」という感覚から抜け出せません。

ウサギばかりかヒロインのビアを含めた登場人物にあまり感情移入できず、私の

好みに合わない映画でした。同じくイギリスの児童文学が原作である実写映画

パディントン」シリーズは苦手な部分を埋める以上に気に入った点が多かったん

ですが…。でも悲観的にやかましいニワトリはちょっとウザくて面白かったかな。

 

 

 

 んで、次の映画。

 


ゲイリー・オールドマン驚異の役づくり!映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』予告編

 

ウィンストン・チャーチル

ヒトラーから世界を救った男  (原題 : Darkest Hour)

 

公開 : 2017年   製作国 : イギリス   上映時間 : 125分

監督 : ジョー・ライト   音楽 : ダリオ・マリアネッリ

配給 : フォーカス・フィーチャーズ / ユニバーサル・ピクチャーズ

出演 : ゲイリー・オールドマン  クリスティン・スコット・トーマス

    ベン・メンデルスゾーン  リリー・ジェームズ

 

かなりざっくりとしたあらすじと感想

 

1940年5月。ヒトラー率いるナチスドイツはヨーロッパ各国を蹂躙し続けて

いました。英国首相チェンバレンナチスに妥協を続けた結果この事態を招いたと

野党から弾劾され、嫌々辞任します。今は挙国一致内閣で国難に向かわねばなら

ない時…窮地に立たされた与党・保守党が苦肉の策として選んだ新首相は野党や

国民を納得させられる、でも偏屈で酒飲みで変節漢ウィンストン・チャーチル

いう変人でした。

 

しかしチェンバレンハリファックスら和平派の保守党議員や国王ジョージ6世は

ヒトラーを強く憎みドイツとの徹底抗戦を訴えるチャーチルの方針ばかりかチャー

チル個人をもまったく支持していませんでした。イギリスの軍事力ではドイツに

勝てない。無用な血を流さないためにもどうにかして和平を結ばせたい。チャー

チルが聞かないなら辞任に追い込み、ハリファックス子爵を首相にする…チャー

チルは政治的に危うい立場におり、妻や秘書など身近な人々の支えが救いでした。

 

一方、降伏寸前のフランスの援軍として送られていたイギリス陸軍もドイツ軍に

押されて港町ダンケルクまで追い込まれ、その運命は風前の灯火でした。30万の

英国青年の生命を一人でも多く救うための作戦もここに始まります…。

 

 

※※※

 

 

副題いらんやろ…どうしてこういう余計なものを足すのかな。最近のラノベ

やたら長くて内容の説明文みたいなタイトルをつける風潮だそうですけれどこれも

そのはしりかしら。

 

そもそもまだ救ってないし。これから救うって話だし。内容は首相就任直後の

1ヶ月ほどにしぼられています。どおりでこのテの映画にしては良心的な上映時間

だと思った(125分)。ここからが英国、欧州にとっての本当の地獄になるわけ

です…。「ダンケルクの戦い」については最近製作された映画があるからそちらを

見ようねって感じです。他、戦時下の国王陛下の担った役割を知るには「英国王の

スピーチ」、戦争中の英国国内の状況を感じ取るならおすすめは「刑事フォイル」

シリーズです。

 

なんでゲイリー・オールドマンが「オールドマン」を演じることになったの?

なんて思っていたら、ゲイリー・オールドマンは今年で61歳になるんですね…。

長時間かけた特殊メイクと徹底的な演技能力によって現代にウィンストン・チャー

チルを蘇らせました。そりゃアカデミー賞も取りますよ。映画のチャーチル

苦悩を乗り越え覚醒するために重要なシーンが創作ってのは残念ですが。

 

私たちは第二次世界大戦の結果を知っているから和平派の政治家たちにイライラ

しますが、実際は現在進行中に何が正解かなんて分かりませんよね。もしドイツに

勝てなかったら? アメリカの助力が得られなかったら? 和平を結んでいたら?

「どんな犠牲を払っても勝利せねば」と叫ぶ本人は何か失っているの…? 選択に

よって可能性は無限に広がっています。しかし人はただ一つの道しか選べません。

決断の一つ一つが尊いのです。…そして自らの運命を選択する自由すら奪われたら

どうにもなりません。(良くも悪くも)誇り高き大英帝国の人間であればそれだけで

十分、戦う理由になるでしょう。