碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

中間管理録トネガワの悪魔的人生相談

最近すっかり理想の上司・苦労人のイメージが定着した帝愛幹部・利根川幸雄氏が

悩めるクズ予備軍を一喝する、新たな人生の手引き書が出版されました。もちろん

辛口です。テレフォン人生相談より辛口です。

 

生き辛い現代社会、世の中に溢れかえる人生相談に触れて相談者を内心嘲笑い、

社会の成功者たる回答者のアドバイスにズレを感じた人もいることでしょう。

そうじゃねぇだろ、もっと人の弱さを、汚さを理解した人間による毒をもって

毒を制するような圧倒的な答えを、と求めるならば…一度手にとってみて下さい。

 

 

 

中間管理録トネガワの悪魔的人生相談 (KCデラックス)

中間管理録トネガワの悪魔的人生相談 (KCデラックス)

 

 

中間管理録トネガワの悪魔的人生相談

著 : 奥津圭介  協力 : 福本伸行  原作 : 萩原天晴

漫画 : 三好智樹・橋本智広  発行 : 講談社 KCデラックス

 

  

↓コミックス最新刊の感想はこちら

blueflag01.hateblo.jp

 

ざっくりとしたあらすじと感想

 

閑職の公務員生活から抜け出して飲食店を始めたい、好きな男がいるのに父親の

決めた相手と結婚させられそう、10年続いた不倫相手と穏便に手を切りたい、

現実の男がくだらなすぎて乙女ゲーに課金しまくってしまう、気になる女性との

初デートにはどんな服を着ていけばいい? 仕事に対する情熱は誰にも負けない

のに何故か認められない、娘がダメ男とばかり付き合って心配、偉そうにしていた

父親がリストラされた、生活がSNSに支配されている、地下労働施設で同僚から

金を巻き上げ一日外出を繰り返す生活に満足を覚えてしまっている自分に疑問…

 

 

ーお前たちが嘆くのには理由がある。それはおまえたちがクズだからだ…!

 

 

悩める23(+2)の相談を、利根川幸雄が圧倒的回答でズバッと斬る!

 

※※※

 

…まぁ、本当に読者から寄せられた悩みだとは思ってませんけどね? 寄せられた

相談内容がだいたい似たような文体だし。著者はよく分からないけどライターさん

らしい…しかし当然原作者側の監修が入っているはずですし、利根川先生が言い

そうな内容だなと思います。

 

利根川先生、中高年の生態ばかりか若い人の流行もかなり詳しく把握してます。

辛口です。言いたいことを言っちゃうから伏せ字すら使わない。かつてある雑誌に

人生相談コーナーを持っていたあるハードボイルド小説家の有名な回答「○ープへ

行け」にも伏せ字を使っていません…は余談ですが、相談者も多重債務者<クズ>

レベルではなくてもどこか存在しそうなダメな人ばかりでした。「トネガワ」や

「ハンチョウ」を面白く読んでいる(私も含む)屈折した大人が順風満々の充実した

人生を送っていると思えないので、読み手も多少なり己に重ねてしまうケースが

あるのではないでしょうか。 

 

「過酷な体験をした者ほど同様の体験への共感性が低く、問題を過小評価したがる」

「お前にクソ客ばかり集まるのはお前自身が大したことのない女だからだ」

「”俳優志望”などという人種は、この世に存在しない」

「”いいね”を押した誰かの頭の中から、1分後にはお前の料理の画像は消えている」

 

…などと相談者と読者の心に刺さるようなにキツいことをズバズバ言いますけど、

完全に見放すでなくちゃんと助言もしてます。愚民の相談に乗るのも”ノブレス・

オブリージュ”だそうです。でも実行できるかは難しいと分かった上での助言ですし

やっぱり利根川先生なので話が長くて何が言いたいかイマイチ分からないケースも

あります。DV夫の被害を受けている女性と息子がいじめを受けている女性の件に

ついては問題が問題だけに真剣でかなり効果的な解決法を伝授しています。きれい

ごとや他人の良心に訴えるだけでは解決できない問題だってありますよ…。

 

人生相談に加えて黒服有志による座談会コーナー付きです。利根川先生って本当に

スゴいの? と議論します。…実は1巻の利根川先生の失態をまだ根に持っていた

山崎。この期に及んでまだ自分のブレに気付いていない海老谷は相談者に混じって

ます…彼に対しては、正直私なら「病院へ行きしかるべき検査を受けろ」と言い

たくなりますけどさすがの利根川先生もそこだけは遠慮しました。まぁ本人が

自分のズレを自覚しなきゃ仕方が無いし、仮にしかるべき検査を受けたところで

本当にどこも問題無くただズレてるだけという結果が出たら本当に困るけど…。

 

 

一方、相談相手が帝愛幹部だけあって妙にへりくだっている大槻氏の年齢やその

過去について新しい情報はありませんでした。

 

 

 

ところで利根川先生の決め台詞「世間はお前らの母親ではない!」について、

これだけは言わせてください。

 

お母さんの愛にも限界があるからね?

 

(カイジのお母さんはけっこういい人のようです)

 

 

声優魂 (星海社新書)

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