碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

志水アキ「鉄鼠の檻」 5巻(完結)

毎度おなじみ、志水アキ氏による京極堂シリーズ(または百鬼夜行シリーズ)のコミカ

ライズ、今回の舞台は箱根の奥のお寺。5巻にて無事完結しました。

 

あまりに複雑なため完結後にまとめて感想を書くことにしてました。当初はネタ

バレ無しで最終巻まで行くつもりだったけれど、途中で堪えきれずにオチを調べて

しまいました…。

 

※ 放送大学の試験期間に入りますので来週・再来週の更新はお休みします ※

 

鉄鼠の檻(5) (KCデラックス)

鉄鼠の檻(5) (KCデラックス)

 

 

鉄鼠の檻(てっそのおり) 5巻

原作: 京極夏彦  作画: 志水アキ

発行 : 講談社 KCデラックス エッジ

マガジンエッジ連載終了

 

 

 ↓前回(1巻)の感想記事です

blueflag01.hateblo.jp

 

ざっくりとしたあらすじと感想

 

昭和28年の始め。 雪深い箱根の歴史ある宿”仙石楼”にて僧侶の死体が発見されます。

座禅を組んだまま凍っていた僧侶は明慧寺”の役職者の一人、了稔和尚でした

数十年前に発見された明慧寺には、所属の調査のために各宗派の寺から僧が派遣されて

おりました。警察が捜査を始め、宿や寺の人間も容疑の対象にされていきます。しかし

捜査上の思い込みや手際の悪さ、謎多き寺側の非協力的な態度、修行の日々の中で心の

内に沈殿していた僧同士の相互不信、苦悩が徐々に表面化していく間に高僧たちが次々

不可解な姿で殺害されていきました。

 

 

調査のはずがかれこれ二十年以上寺に留まり独自の環境を築いてしまった明慧寺の

僧侶たち。事件に巻き込まれた取材班たち。警察。謎の老爺と山中を彷徨う少女…

いつのまにか皆が寺の結界に取り込まれ、出られなくなっていました。まるで檻の

ように。明慧寺の秘密、十数年前周囲一帯を所有していた地主一家に起こった悲劇、

山中に埋もれていた古い蔵、そして彼らに取り付いた「大鼠」の正体とは…? 

 

禅僧の謎はまず禅の歴史を理解せねば解けない…。混迷を深める「箱根山連続僧侶

殺人事件」に故事蘊蓄の塊にして憑きもの落とし・京極堂が挑む!

 

※※※

 

やっぱり難しかったなぁ…禅の成り立ち、渡来、分化の流れや所謂「禅問答」と

いってもいいやりとりや。そもそも悟るとはどういうことなのか。現代人がお寺で

座禅を組もういう気持ちとはかけ離れた難解な世界がありました。おそらく頭で

理解するべきもんじゃないんでしょうけど…仏僧の方々は千年以上も悟りを求めて

難しいことを考え続けてきたのね。舞台が大きなお寺=衆道くるか? なんて

安易に考えた自分を恥じていたらやっぱり衆道がきました(本筋ではないけれど)。

このシリーズ、近親相○とかもやたら多いし…。

 

今ある社会に存在するもののほとんどが人類が長い年月をかけて試行錯誤を繰り

返し生み出した産物であります。だから人はもっと歴史に興味を持った方がいい。

禅だけじゃなく、私は仏教のことを何も知らないんだと改めて恥じております。

うちの実家は浄土真宗ですが、お経の一文字一文字に三蔵法師がはるか天竺に探し

求めたほどの尊い意味が込められているのでしょう。せめて法事の間だけでも

真剣に耳を傾けねば…。 

 

前作「絡新婦の理」ほどではなくても後半はかなり駆け足展開になりました。

やっぱり5巻じゃ足りませんって…! 原作者の京極夏彦氏がなかなか新作を出さ

ないそうなので、一作一作にもっとじっくり取り組んでもらってもいいのに。

 

京極堂さんはいつものようにこじれにこじれてからようやく重い腰を上げるもん

だから穏便に済ませようったって無理よ…。しかし一度出張ってくればもう彼の

独壇場、序盤に出張っていた久遠寺先生や敦子さん、待古庵さんなどは置いてけ

ぼりになっちゃった。榎木津氏も役に立ったのか立たなかったのか微妙なところ。

 

でも、何を明かして何を秘しておくべきかって判断は本当に難しそうです。全て

根こそぎ暴けば良いものでもなし。そんな京極堂さんの配慮も結局は吹っ飛んで

しまうんですけどね?

 

 

次回作の予定があるそうですが、詳細は不明。

 

 

↓折角なので2~4巻 

鉄鼠の檻(2) (KCデラックス)

鉄鼠の檻(2) (KCデラックス)

 
鉄鼠の檻(3) (KCデラックス)

鉄鼠の檻(3) (KCデラックス)

 
鉄鼠の檻(4) (KCデラックス)

鉄鼠の檻(4) (KCデラックス)