碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

映画「ベルサイユのばら」デジタルリマスター版

近所のTSUT●YAが改装するたびに気になる作品を探し辛くなるわけですが、どこに

何があるかとうろうろしていてたまたま見つけた実写映画「ベルサイユのばら」デジ

タルリマスター版です。アカンやつと噂で聞いたことがありましたが、アカンやつと

分かっていて借りるなら大丈夫かなと思ったら想像以上のアカンさでした…。

 

 


ベルサイユのばら PV

 

ベルサイユのばら(Lady Oscar)

公開 : 1979年   上映時間 : 124分   日本・フランス合作

監督 : ジャック・ドゥミ   音楽 : ミシェル・ルグラン

出演 : カトリオーナ・マッコール  バリー・ストークス 他

 

 

ざっくりとしたあらすじと感想

 

フランス・ルイ15世時代。代々国王に仕える由緒正しい貴族・ジャルジェ将軍の

妻が6人目の子を出産しました。将軍が待ち望んだ男子でなく、女…しかも出産の

床で妻は息を引き取りました。将軍は赤子をオスカルと名付け、男子として育てる

ことにします。そして遊び相手としてばあやの孫・アンドレを呼び寄せさせました。

 

兄弟のように仲良く育ったオスカルとアンドレ。しかし成長していくにつれて、

越えられない身分の壁が二人を隔てていきます。オーストリアから同盟の証として

嫁いできたマリー・アントワネット王太子妃付きの近衛兵になったオスカル。

厩番のアンドレ。ベルサイユ宮殿へ通う日々、王侯貴族の贅沢な暮らしとパリの

人々の貧しさ、王家へのつのる不満を目にしてオスカルの心は揺れます。そして、

男として育てられていながら女性としての心がどうしても一人の男性に惹かれて

しまうのでした。スウェーデンから来た優雅な紳士、フェルゼン。しかし彼の心を

占めるのはアントワネットだけ。男にも女にもなりきれず、貴族の世界だけを見て

生きるには高潔すぎ苦しむオスカルを、いつも側で見守り続けてきたアンドレは…

 

※※※

 

フランス政府の協力を得てベルサイユ宮殿で撮影。登場人物を演じるのは豪華な

衣装をまとった外人さんたち。なのに、いろいろ勿体なさすぎました…。

何がアカンと感じたかを今から書いていきますが、まず第一にオスカルが魅力的に

描かれていないことです。小柄で声が高く、どこからどう見ても女性でしかない

ところが残念。ロザリーとの接点がかなり削られていますし、活躍の場が少ないのに

なぜか酒場で大暴れするシーンに尺を割く。自分の意志で主体的に動いている描写が

足りません。アンドレに流されてるだけのように見えました…自力で父親に勝つべき

だったでしょ。

 

オスカルだけじゃないんです。アンドレは男前でしたが性格が従者向きじゃあり

ません。死ぬのは仕方ないにせよせめてまともに戦って、オスカルをかばって死に

なさいよ…。オスカルとロザリーがほとんど関わらなかった結果があのラストだと

思うとやりきれません…途中のストーリーは表面だけでも一応原作の流れに沿って

いるものの、ラストがあまりにも投げやりすぎるのよ…!!

 

他、アントワネットは悪い部分が強調されていて、オスカルが彼女に忠誠を誓うも

葛藤の末やがて袂を分かつ過程がうまく描かれていない(ついでにアントワネットに

恋焦がれるフェルゼンも評価が下がる)。残念ながらジャルジェ将軍も随分格落ち

しました。オスカルを産んだ時に奥さんが亡くなったために、金目当てにジェロー

デル(もどき)と無理矢理結婚させようとした、娘を道具のように扱う勝手な親父の

印象を与えたままフォローが入らなかったのが苦しい。ばあやさんは違和感無し

ですが…ジェローデル(もどき)はあくまで別物です。

 

それから、これは私の個人的な問題ですが、貴族の男性はみんなくるくるロールの

カツラをかぶっているから外人さんの見分けを付けるのが苦手な私には誰が誰だか

わからなくなって困りました。フェルゼンもジェローデル(もどき)もあまり太って

ないルイ16世もその他の貴族もみんなあのかつらですから…。リアリティを重視

したんでしょう。人物の見分けがつくマンガって、ありがたいものなんですね…。

 

 

現代のようにマンガの実写映画化に手慣れていなかったにしても、もう少しなんとか

ならんかったのかな。日本人スタッフもいたはずなのに…どっちの国のスタッフも、

ベルばらの何がファンの心を掴んだのか理解しきれなかったのかな。残念だな…。

 

同じアカンやつでもハリウッド版「北斗の拳」のように日本語吹き替えキャストは

アニメ準拠、くらいのサービスをすればいいのに…と思ったら映画の公開の方が先

だったみたいです。古い映画のせいか、視聴中ところどころ吹き替えが切れて英語に

戻ってしまいました。 というか、フランス語じゃなく英語です。

 

 

 

マンガやアニメ作品の実写化に慣れてきたはずの現代日本でも実写化が成功して

いるとは限らない、というのは言わないこととして…。

(実写版ジョジョハガレン銀魂の並んだTSUT●YAの棚の前に立ちつつ)