碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

ヤマザキマリ「プリニウス」 6巻

忘れた頃に新刊が出てて気付きませんでした。プリニウス総督(代理)と行く古代

ローマ世界体験ツアー・第6巻はアフリカ編です。

 

プリニウス6 (バンチコミックス45プレミアム)

プリニウス6 (バンチコミックス45プレミアム)

 

プリニウス 6巻

 著者: ヤマザキマリ  とり・みき

発行: 新潮社  バンチコミックス45プレミアム

新潮45連載中

 

 

 ↓前回の記事はこちら

blueflag01.hateblo.jp

 

ざっくりとしたあらすじと感想

山の怒りを見届けたプリニウスとおともの御一行はようやくアフリカ・カルタゴ

到着しました。ますます情緒不安定に陥っている皇帝ネロに呼び出されるのはイヤ

だと身分不相応のおんぼろ屋に泊まっていた彼に出頭を命じたのは次期アフリカ

属州総督であるウェスパシアヌスでした。プリニウスとは旧知の仲のようです。

ただのキャベツ畑のおっさんにしか見えないおっさんですが、軍司令官経験者。

そして次期アフリカ属州総督。変人のプリニウスが丁重に接していて驚きます…。

 

ウェスパシアヌスからの歓待を受けた総督府を後に、彼はまだ見ぬこの世の神秘を

求めて砂漠へ旅立ちます…。目指すはエジプト・アレキサンドリア。船旅で拾った

子ども(名無し)の飼ってるカラスの故郷テュロスへも寄る予定。楽な道中ではなく

おとものみなさんも大変ですが、この先何が待っているのでしょうか…?

 

一方のローマでは、皇帝ネロは政務に関心を失い堕落と鬱屈の日々を過ごしていま

した。腹黒い側近やユダヤの商人は結託して皇后ポッパエアに取り入り、ローマを

自分たちの思い通りにしようと画策しています。徐々に高まっていく民衆の不満は

全て皇帝へ。ネロの破滅は時間の問題かと思われましたが…

 

※※※

 

ウェスパシアヌスとは、これまた有名どころが出てきましたね。ローマでもネロの

側近たちがあれこれ影で動き回って史実にも繋がる出来事が起ころうとしています。

ローマ社会に着実に浸透しつつあるキリスト教の存在も見逃せません。帝国領内は

一応”平和”とはいえ、やはり弱者には生き辛い世界のようです。 ブリタニア出身で

口のきけない娼婦プラウティナが再び登場しましたが、彼女はローマ社会の最も

弱く悲しい存在と言えましょう。キリスト教(まだそう呼ばれていません)にすがり

たくなるのも仕方ありません。

 

悲しいといえば、海の精ネレイスだの頭が無くて顔が胸にある種族だの、実はすぐ

側にいるのに自分の目で見ることができないプリニウスが可哀想といえば可哀想

かもしれません。身体はってるのにねぇ…。

 

皇帝ネロだって良識ある人たちからみんな「今はローマに近づかない方がいい」と

避けられてるうちに周囲の蛇たちに食いものにされて誰も彼を本気で助けようと

しない点はちょっと可哀想ですがあんまり同情できる人間性じゃないしなー…。

今回の皇后ポッパエアは毒少なめ…というか赤子のことで憔悴がちでした。

皇后がいて、でも奴隷の美少年とも寝て、さらに哀れな女奴隷に鬱憤をぶつける。

ギリシア趣味に逃避してネアポリスジャイアンリサイタルする。ネロも本当に

何がなんだかわからなくなってるんでしょうね。

 

そしてネロの元家庭教師のセネカときたら、関わるとヤバいって分かっているはず

だしストア派(”ストイック”の語源)の哲学者のくせにネロの護衛隊長のうさんくさい

ティゲリヌスの儲け話に乗っちゃうんだから救えない…。

 

ローマを中心とする複雑怪奇な人間模様、まだまだ目が離せません。

 

 

 ↓気になってるけどまだ読んでないポエニ戦役マンガ