碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

藤崎竜「銀河英雄伝説」 7巻

いよいよ「魔法使いの嫁」のアニメ放送が始まりますね。録画予約しなきゃ…!

こちらの作品もアニメ化についての具体的な情報が出て参りました。でも、マンガ

版とは別作品扱いみたいです。というフジリュー銀河の歴史をゆるがしたシスコン

英雄伝説のコミカライズ7巻目です。

 

銀河英雄伝説 7 (ヤングジャンプコミックス)

銀河英雄伝説 7 (ヤングジャンプコミックス)

 

銀河英雄伝説  7巻

 原作: 田中芳樹(創元SF文庫)  作画: 藤崎竜

発行: 集英社  ヤングジャンプコミックス

週刊ヤングジャンプ」連載中

 

 

 ↓前回の記事はこちら

blueflag01.hateblo.jp

ざっくりとしたあらすじと感想

下級貴族出身のくせに容姿端麗・頭脳明晰・冷静沈着(案外そうでもない)・高慢ちきと

全く可愛げの無い”金髪の孺子(こぞう)”ことラインハルト・フォン・ミューゼル20歳は

家柄ばかりでやる気も才も無い上級貴族連中が皇帝の寵姫である姉のおかげだと

言い訳し、嘆かわしいと憂えている間に艦隊総司令官として出陣したアスターテ

会戦でも華々しい功績をあげてとうとう元帥になってしまいました。元帥府を開き

自分で部下を選べるので、今までよりずっと行動しやすくなります。

 

一方で自由惑星同盟のヤン准将はアスターテ会戦にて負傷&戦意喪失したパエッタ

中将から指揮権を委譲され、奇策をもってラインハルトの艦隊相手に「負けない

戦い」を展開し、全滅の危機を脱しました。その活躍を本国の国防委員長ヨブ・

トリューニヒトにまんまと利用され、国民の眼を敗戦(=自身の責任)から反らす

ために「英雄」に仕立て上げられてしまいました。そしてトリューニヒトの権力

拡大を危惧するシトレ元帥(ヤンの士官学校時代の恩師)やグリーンヒル大将らの

派閥に接触され、ヤンはますます政治闘争に深入りせざるをえなくなります…。

 

※※※

 

相変わらず数が大きいです。ラインハルトがあっという間に大将になり、さらに

上級大将って階級が出てきたと思ったらさらに元帥。でも元帥も4人いるとか…。

(自由惑星同盟にも複数名の元帥と一匹のネコの元帥がいます)

 

 

そして今回のアスターテ会戦における戦死者: 帝国軍 → 15万3400名

同盟軍 → 150万8900名

 

・・・・・・・・。

 

 

参考までに、第一次世界大戦の4年間の総犠牲者数は約1600万人。

 

 

しかし、どれだけ未来の世界であろうと、人間の居住世界が無数の惑星まで拡大

しようと、一度の戦闘に何百万の人々が駆り出されるようになろうと、結局人間を

動かして世界を動かすのは人間、ある時は皇帝だったり政治家だったり艦隊司令

だったりという少数の相変わらず100年の耐用が精一杯の個人単位に帰すという

のはなんだか不思議な気分ですね。言いたいことをうまく説明できませんが…。

 

動かす単位がでかければでかいほど責任も増えていくはずなのに、普通の人間の

神経で耐えられるものなのかしら? 遠い未来世界においてガンダム世界みたいな

ニュータイプは生まれなくても、この動かす”数”(+宇宙戦への恐怖心)に対する

無神経さがある意味人類が進化した証なのかもしれませんね…。

 

 

今回はこの物語にしては珍しく、女性にもスポットの当たっている巻です。まずは

ラインハルトの姉・アンネローゼの友人としてヒルデガルド(ヒルダ)とご対面。

明るく勇敢な男装の女性であり、後にラインハルトにとって重大な存在となるの

ですがこの時点では全く関心が無いようです。むしろ大事な姉との時間を邪魔され

面白くないみたい…超高速な出世を続け常に前進しながら、心の底の時間は姉と

キルヒアイスと3人で無邪気に過ごしていた幼い日々のままで止まっているかも。

 

そしてヤンの親友ラップの婚約者だったジェシカさん。婚約者を失った彼女は長年

続いてきた帝国との戦争のあり方に疑念を持ち、命をかけた戦いを始めました。

帝国と戦うことそのものを否定したのではありません。戦うことで国と家族を守る

ことになると信じて死んでいった軍人たちの気持ちを否定することになるから。

 

彼女が戦没者慰霊祭にてある言葉を投げかけたのはトリューニヒト。自身は常に

安全な場所にいながら国民を煽り、戦場に送り出し続ける男へ…。シビリアン・

コントロールという建前はあれど、心情的には納得できなくて当然でしょう。誰も

知らないこととはいえ 、トリューニヒトが自分の息のかかった艦隊司令官たちに

功名心をかきたてるようなことを吹き込んだせいで、各艦隊の連携を欠いた結果が

アスターテ会戦の敗北=ラップの死に繋がったというのに、それでなお無傷でいる

トリューニヒト。”憂国騎士団”なる過激な”愛国主義者”組織と裏で繋がり、反戦

称える人々を弾圧している男。こんな男にこれ以上権力を持たせては同盟の未来は

危ういのではないか? と危機感を抱くものは少数ですが存在しました。

 

…さらには膨大な数の戦没者遺族が辛い心情を吐き出す権利すら制約され、反戦

感情=悪と刷り込まれている現状(そう簡単に抑えられる数とは思えないけど)。

”劣等な人類”は消去するなんて悪法を作った帝国も帝国ですが、同盟側の闇も表に

出てきました。どっちもどっちです。そして命を狙われることになったジェシカを

守るために、ヤンはシトレらの策に乗って帝国のイゼルローン要塞を陥とすことに

なりました…。

 

 

そういえば、封建的な社会の帝国はともかく、一応戦艦のブリッジに女性クルーが

いることはいる(ヤンのファンのフレデリカ嬢など)同盟側には艦隊司令官にまで

出世してる女性はいないのかな? 銀河の長い歴史に1人くらいはいて欲しい…。

 

 

毎回言ってますけど、やっぱり話を追いかけることが厳しくなってきてます。

”数”の単位がどうしてもしっくりこないってことと、フジリュー氏のメイン以外の

登場人物に対する極端な描写も苦手なんですよね…例えば遺族会の名誉会員の

ご夫人とその孫とか…いくらなんでもステレオタイプに、醜悪に描きすぎでは?

ラインハルトが皇帝になるまでは見守りたいと思っていますが…う~ん…。

 

あぁ、たくさん書きまくってたらいつのまにかユリアンの背が伸びたことや不吉な

義眼の男・オーベルシュタインについて触れるのを忘れてた!(追記)

 

↓リメイク版アニメの公式サイト

gineiden-anime.com