読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

志水アキ「絡新婦の理」

京極堂シリーズのコミカライズ版からもう一冊。行きつけのT●UT●Y●には「魍魎の

匣」とこれしか置いてないんですわ…「姑獲鳥の夏」が読みたい…!!

 

(このブログで紹介する出版物の全てをレンタルで済ませているわけではありません。

 多分半分くらいは買ってる…かな?)

 

絡新婦の理(1) (講談社コミックス)

絡新婦の理(1) (講談社コミックス)

 

絡新婦の理(じょろうぐものことわり)

 

原作: 京極夏彦  作画: 志水アキ

発行: 講談社 マガジンKC

 

  

千葉県にある全寮制のお嬢様学校「聖ベルナール女学院」の2年生である呉美由紀と

渡辺小夜子は学院内で密かに行われている呪いの儀式の噂を追っていました。

英語教師の本田に陵辱された小夜子は深い恨みのあまり「黒い聖母」に本田を殺して

もらおうとしたのです。美由紀は呪いなど信じていませんでしたが、苦しむ親友を

放っておけませんでした。噂をたどるにつれて寮生活の影で売春などの冒涜行為を

行っている生徒たちの秘密の組織「蜘蛛の僕」に接触することになり、二人は本当に

殺人事件に巻き込まれてしまいます。

 

「黒い聖母」によって無惨にも絞殺された本田と、投身自殺したらしい「蜘蛛の僕」の

一員だった夕子。保身のために醜聞をもみ消すことしか考えない学院の経営陣をよそに

美由紀と小夜子は彼らの死に「蜘蛛の僕」が関係していると推測し、その頭目として

才色兼備にして理事長の義妹である学院一の優等生「織作碧」を疑いますが…

 

その織作家では当主の雄之介が急死し、さらに婿養子であり聖ベルナール女学院の

理事長である是亮までもが「黒い聖母」に酷似した不審者に絞殺されます。千葉の海

沿いの町の名家である織作家は代々女系、「蜘蛛の巣屋敷」と呼ばれる大邸宅のような

いびつな家族関係が築かれていました。そこを訪れるのは女性ばかりを次々殺害する

「目潰し魔」を追っていた木場刑事。彼の旧友・川島が巻き込まれた目潰し魔事件の

重要参考人の手がかりとなる織作家の娘たちに接触するためでした。

 

全ての事件は裏で糸をめぐらし罠を張る「絡新婦(じょろうぐも)」の巣の上で起こって

いたのです。その正体とは…!? 不可解な事件の謎に京極堂とゆかいな仲間たち

(あるいは名探偵榎木津礼二郎とゆかいな下僕たち)が挑む!

 

 

この物語は「魍魎の匣」事件の翌年の出来事であり、その間には小説2冊分の事件が

起こっていたようです(「魍魎の匣」はシリーズ2作目)。いくら戦後まもない世の中の

価値観・人心が大きく揺れ動いた時期だからと言えどさすがの京極堂さんもたびたび

駆り出されてうんざりしているでしょうが、やっぱり今回も「憑きもの落とし」に

出向かなければならなくなりました。

 

今回はメイン舞台の1つが女学校なだけあって美女&美少女盛りだくさんですが、

出てくる人たちみんなクセのある人間ばかりだからむしろ華でなくともおっとりした

いさま屋さんと今川(待古庵)さんに癒やされます(なぜか人物相関図に登場しない二人)。

このシリーズはゲストの再出演が多いらしく、聖ベルナール女学院を経営する柴田財閥

がらみで「魍魎の匣」に出てきた増岡弁護士が登場しました。以前と比べて随分と打ち

解けたもんだなぁ…。

 

ジェンダー問題というかフェミニスト運動にも触れながら、複雑にからみあい謎が謎を

呼ぶ物語、目が離せません…が、実は私蜘蛛が大嫌いだから時には目を背けたいという

悩ましい気持ちを抱えながら読んでます…。

 

掲載雑誌の都合で次巻完結するそうです。相当はしょっていそう。勿体ないですね。

 

 ↓とても怖い表紙の原作

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)

文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)