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碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

中野京子「名画に見る男のファッション」

歴史 小説

「怖い絵」「危険な世界史」など名画から歴史と人間を読み解くシリーズを数多く

執筆し、ツヴァイク著「マリー・アントワネット」の翻訳もしてる中野京子さんの

著作の一つ、(西洋の)名画に描かれた(西洋の)男性ファッションをテーマにした一冊を

ご紹介します。

 

 

名画に見る男のファッション

 

著者: 中野京子    発行: 角川文庫 

 

 

かつて、世界中のいたる場所で身分と衣装は強く結びついておりました。

最も代表的な例である西欧諸国・絶対王政下の王侯貴族たちは富と権力を誇示するため

ごてごてと着飾り、肖像画の中で偉そうにふんぞり返っていました。実際は不衛生な

環境に加えて快適さは二の次の重く動き辛い衣装を絶えず身にまとうにはそれなりの

辛抱が必要でしたけれども、現代社会のスーツスタイルに縛られた男性よりもよほど

バリエーション豊かなおしゃれを楽しんでいたようです。

 

本書で取り上げられるファッションは15~20世紀初頭までの名画の中から抽出

されております。エリマキトカゲっぽい首回りの白いカラー、原色豊かなスイス傭兵、

60代の絶対君主の脚線美にハイヒールなど現代人の理解の及ばないファッションも

あれば、幼い王子のかわいらしいセーラー服姿、上の表紙のようなファッション誌の

表紙に使われてもおかしくない見事な”ダンディ”もいます。(ただし英国紳士ではなく

英国紳士風のフランス人)

 

成り上がり皇帝ナポレオンの颯爽と(+美化)した軍服に始まり、由緒正しきハプス

ブルク家の老皇帝フランツ・ヨーゼフ一世の厳格にして疲れ切った軍服で締める、

という構成がまたイカしてますね。

 

名画と、読みやすい解説に目を通してふ~ん、となんとなく分かった気になる程度

だっていいじゃない。視覚が人に与える影響は計り知れません。まず入りやすい場所

から軽く触れて、興味を持った事柄をさらに掘り下げていけば、それでいいのです。

中野京子さんの本は良いきっかけとなってくれてます!

 

 

↓現在愛知県美術館にて開催中の「ゴッホゴーギャン展」。 行けるかな…!?

www.nagoya-info.jp