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碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

進撃の巨人 Before the fall 9巻

多すぎて全ては追いきれない進撃の巨人スピンオフ作品のうちの一つです。

原作から数十年前、巨人を倒す方法すら知らなかった人類が後に立体起動装置と

呼ばれることになる装置を発明→完成させ、それを用いて初めて巨人を討伐するまでの

物語。元々は全3巻の小説として発表された作品のコミカライズ版です。

現在9巻まで。小説版は好評だったようですが、未読。

 

進撃の巨人 Before the fall 9巻

 

 

原作:諌山創  小説版原作:涼風 涼  漫画:士貴智志 

小説版キャラクターデザイン:THORES 柴本

発行:講談社  シリウスKC  月刊少年シリウス連載中

 

進撃の巨人 Before the fall(9) (シリウスKC)

進撃の巨人 Before the fall(9) (シリウスKC)

 

  

 

エレンたちがシガンシナ区の陥落を目にする日から70年ほど前。壁内に侵入した

巨人に喰われた妊婦の遺体から産まれた赤ん坊は「キュクロ」と名づけられ、

「巨人の子」として人々に忌まれながら過酷な幼少時代を過ごしました。

 

十数年後、キュクロは富豪ダリオ・イノセンシオに跡取り息子シャビィの殴られ役と

して買い取られます。しかしダリオの娘はキュクロが巨人ではなく人間であることを

確信し、家人に内緒でキュクロに言葉と外の世界の知識を教えるのでした。

 

ある日、キュクロが巨人の子と信じる巨人信奉者たちがイノセンシオ家の屋敷を襲い、

ダリオや多数の使用人を殺害します。シャビィに巨人信奉者を手引きしたと誤解された

キュクロは斬り付けられ片目を失明しますが、政略結婚をさせられそうだった

シャルルを連れて逃亡します。流れ着いたシガンシナ区では、人々は十五年ぶりに

再開される壁外調査の話題でもちきりでしたがー

 

主な登場人物

 キュクロ:苦労人の主人公。過酷な育ちにしては身体能力が高く心も公正で寛大。

(自己肯定感が低いのかもしれない。そのうち自分を大切にすることを知るかも?)

師匠はネコ。家族はシャルル。自分が巨人の子でないことを確認するために調査兵団

まじって壁外へ出て戻ってきてからまた追放刑にされて、調査兵団の隊長たちに

救われた縁で現在開発中の巨人討伐用「装置」の実験に協力するために工場都市と

シガンシナ区を行ったり来たりする忙しい人。工場都市の反乱騒動でシャビィに敗れ

生死不明に…。

 

シャルル:とっても怖がりだけど健気なヒロイン。お嬢さん育ちなのにキュクロの力に

なるためにかくまわれた先の工業都市で職人の頭ゼノフォンに弟子入りしたり、

おさんどんをし、人質にされ、危機一髪のところをキュクロに助けられるなど

ヒロインらしいヒロイン。でも反乱騒動の際シャビィに連れ戻されてしまいます。

細かい疑問ですが女性でもシャルルって名づけられることあるんですかね?

”シャルロット”の愛称かしら?

 

シャビィ:キュクロの宿敵。憲兵団に入ってクセモノな女上司の命令に振り回されつつ

父親の事業も受け継ぐ働き者。非常にプライドが高く権力への執着も強いけれど決して

救いようのない冷酷人間というわけでもないらしく、時には妹への情も見せます。

無駄に美形。

 

カルディナ:キュクロの相方。貴族のバウマイスター家の子息でシャルルの元婚約者。

父親が政争に敗れたことで自分も壁外追放刑にされるところをキュクロと協力して

生き延びます。ちゃらんぽらんな人柄との評判であったものの根は義理堅く気配りも

できる青年。以後、恩人キュクロと行動をともにしていくことに…。

 

グロリア:シガンシナ区担当の憲兵団の責任者。切れ者でメガネな女性。巨人より

壁内の体制維持や権力闘争の方が大事らしい人。壁外調査から帰還したキュクロを

拘束した因縁の相手ですが、今後どう転ぶか不明…。

 

カルロ:15年ぶりに再結成された調査兵団の団長(隊長?)。人類で初めて巨人を

倒したと言われる「英雄ホルヘ」の息子。30代前半。人手不足で悩んでいたところを

タイミングよく現れた有望な若者キュクロとカルディナを親父殿と結託してキープ。

自分はあまり優秀な指揮官じゃないと思ってるようだけれども巨人との戦いを投げ

出さないだけ十分偉いじゃないですかと。

 

アンヘル:回想で登場。巨人を倒す鍵となる「装置」を開発した天才技師。

無駄に美形な人その2。現在は消息不明…。

 

※※※

 

「Before the fall」の意味→「ウォール・マリア陥落前」

 

ぶっちゃけこのマンガ、絵がうますぎて原作の世界観の面影があまり残ってません…。

小説版のイラスト担当の方も「トリニティ・ブラッド」シリーズのTHORES柴本

先生だし、これも進撃ブランドの効用なのかなー。さらにその上に小説版のあらすじと

して把握している出来事とはかなり脱線した展開…<ウォール・シーナ>内の

工場都市で反乱騒動が起こって憲兵団の一部が策謀をめぐらせたり…小説3冊で

収まる内容じゃないよね? オリジナル成分濃いよね? もはや全然別の漫画じゃね?

なレベルです。

 

もう一つの問題は「展開が遅い」ことです。進みません。巨人の恐怖や人類との戦力の

差を見せ付けるためにしても巨人の相手をするのにいちいち手間取りすぎです。

夜に活動してる巨人多すぎない? 仲間の巨人をブン投げたりする知能あるの?

など、引っかかる点多し。

 

連載してる雑誌のことはよく存じませんが、引き伸ばしについては大人の事情が

働いているかもしれません。

 

 

9巻では工場都市で起こった反乱騒動にひとまずの決着がつきました。

首謀者のしょーもなさを薄々気付きながらも他に行く場所が無くて付いていくしか

なかった貧しい人々の悲しい姿が胸を打ちます。進撃の巨人原作では描かれる機会の

少ない一般市民の様子を見せてくれてるんでしょうか。<ウォール・シーナ>内の

工場都市や貴族の豪華な生活なんかも。別モノの作品に見える面もありつつ、

キュクロの巨人を倒すという強い意志、シャルルと「家族」になるなど、原作を

意識してるのかな? と思える場面がちょこちょこあります。実際原作者様は

どこまで監修してるのかしら…。

 

このまま調査兵団に入るのだったらおそらく天寿をまっとうできないであろう

キュクロ、しかしこの場は復活して引き続き立体起動装置の完成のためにがんばって

欲しいです。シャルルやカルディナのためにも…。

 

 

小説版はアンヘルの物語から始まります。