碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

進撃の巨人 20巻

なぜか講談社ばっかり続いてます…少し読む時期が遅くなりました。 

 

もはや説明のいらないような大ヒットマンガです。 コミックスの発行部数は

累計5000万部以上。(主に否定的な面で)話題を呼んだ実写版映画を始めとする

メディアミックス展開、スピンオフ作品多数、アニメ二期製作も決定しています。

こんなんだから自分がわざわざあらすじや感想を書かなくたっていいかも知れません。

でもこのブログは基本”最近自分が接した著作物や物品や映像作品に対して感想を

書きたい”って方針だから書いておきます。

 

進撃の巨人

著者:諌山創   発行:講談社マガジンKC

月刊少年マガジン連載中

 

 

 

進撃の巨人(20) (講談社コミックス)

進撃の巨人(20) (講談社コミックス)

 

 

知性無く意思も無くただ人間を喰らう巨人たちに追われ滅亡の危機に瀕した人類は

巨大な三重の壁を築き上げ、限られた土地の中で王政をいただき平穏に暮らして

いました。しかし、それは鳥かごの中のかりそめの平和に過ぎませんでした。

 

壁を築いて約100年、突然現れた<超大型巨人>と<鎧の巨人>により一番外側の

壁<ウォール・マリア>が破壊され、大量の巨人が壁内に侵入。巨人への恐怖を

忘れかけ、抗する力を持たなかった人類はなすすべなく2番目の壁<ウォール・

ローゼ>内まで生存圏を後退させられました。難民となった<ウォール・マリア>の

住民がなだれ込み、急激に増加した人口を養い切れなくなった壁内の情勢はこれにより

一気に不安定となりました。

 

<ウォール・マリア>崩壊から生き延びた人々の中には、目の前で母を巨人に食われた

少年エレン・イェーガーの姿がありました。「巨人を一匹残らず駆逐する」ために、

そして幼い頃親友アルミンと交わした夢、「壁の外の世界を見に行く」ために

エレンは訓練兵団を経て<調査兵団>に入団しました。親友アルミン、幼馴染の

少女ミカサ、そして幾人かの同期生たちが常に生き急ぐ…もとい「死に急ぎ野郎」の

彼の後を追いかけます。

 

訓練兵団卒業早々<ウォール・ローゼ>放棄寸前の危機が押し寄せ、再びの巨人との

死闘の中でエレンは自分が巨人と化す能力の持ち主であることを知りました。

彼にその能力を与えたのは行方不明の父親でした。何も分からないままエレンは

壁内の秩序を守りたい人々からも、巨人と絶望的な戦いに希望を求める人々からも

注目を集める存在になります。エレン以外にも巨人と化すことのできる人間が

存在するかもしれないのです。そう、確かに存在しました。しかも人類の敵として…。

 

調査兵団は人類の未来の鍵となるエレンを敵の手から守る戦いと同時に、人類同士でも

戦うことになりました。壁外に出なければ人類の未来は無いと主張する調査兵団は、

現体制を維持することが人類が生存する唯一の方法でありそのためならば進歩を

許さない王政側と軋轢を強めていき、とうとう反逆の疑いをかけられます。

多大な犠牲を払いながらも内乱に勝利したエレンたちは密かに巨人の力を受け継ぐ

王族たちが隠し続けたこの世界の秘密を知り始めていました。

 

そしてエレンは旧支配者層を追放し民衆の支持を取り付けた調査兵団とともに、

あの日破られた壁を塞ぎ奪われた国土を取り戻すため、父グリシャから託された自宅の

地下室の秘密を知るために、やっとの思いで故郷・シガンシナ区の跡地へ帰り着き

ますが、そこには正体不明の敵の首領<獣の巨人>が、かつて訓練兵団で共に学んだ

同期であったライナーの正体<鎧の巨人>、同じくベルトルトの<超大型巨人>らを

従えて待ち受けていたのでした…。

 

※※※

 

この作品はアニメから入りました。人が死にまくればスゴイマンガってわけでも

ないのですが、 まずはそのすさまじい内容に圧倒されたんですよね。

人類が生き残るためにはこんなに強大な相手と戦わなくてはならないのか。

こんなにも絶望しなければならないのか。こんなにも犠牲を強いられなければ

ならないのか…。スゴイマンガってのは画力だけの問題じゃないんですね。

説得力が大切なんです。それに勢いがあればだいたいどうにかなります。

 

主人公のエレンと自分はかなり歳が離れているためか当初言動のとんがりっぷりが

引っかかってあまり感情移入できませんでしたが、エレンが自分が特別に優れた

人間じゃないことに気付いて悩める少年になっちゃったらなっちゃったでなんとなく

物足りなくなったり、実写版のように目的意識の無い若者でもそれはそれで困ったり

いろいろと複雑です。けど献身的(依存的)な上に主力で戦えるヒロインのミカサに

優しくなったところで嬉しくなりました。他にはトロスト区攻防戦で活躍した

イアン班長や、ハンジさんとモブリットのコンビが好きです。

 

もちろん我らが人類最強のリヴァイ兵長も本当に強い人だと尊敬していますが、

この人の心に踏み込める気がしなくて、距離をとって見つめることしかできません…。

しかもかかわる女を死なせるタイプの男だし。

 

それはさておき、物語が進むにつれて徐々に世界の謎が明かされるのはいいのですが

人的資源の損耗が目立ちます…ただでさえ今壁の中の人類は数十万しかいないのに。

人材育てるのって大変なのに…巨人による犠牲だけでなく人類同士で争い、

さらに今回「獣の巨人」と彼の配下の巨人たちにより、調査兵団がほぼ壊滅…!

憲兵団から反乱騒動を経て調査兵団に転属したクソ真面目青年・マルロも自分の

行動を後悔しながら倒れました。誰かがやらなければならないことが分かっていても、

迷うことなく意思を完遂できるものはほんの一握りなのでしょう。

 

彼らを死地に向かわせた調査兵団長・エルヴィンは 、強い目的があるからといって、

届くとは限らないことを見せてくれました。表向きは人類の未来のために戦っていた

エルヴィンですが、内心はどこまでも利己的であり、ただこの世界の秘密を知りたい

だけでした。その彼が純粋に人類のために闘った人ではたどり着けなかった場所までは

たどり着けたのは皮肉な話ですが…彼は自分の夢と、彼に取り込まれた結果死んで

いった者たちによって呪縛していました。 

 

エルヴィンに「夢を諦めてここで死んでくれ」と頼んだために獣の巨人を追い詰める

ことができたリヴァイ兵長ですが、やはり人間なので迷いが生まれました。彼だって

エルヴィンを死なせたくありませんでした。この迷いの結果がどう現れるでしょうか?

 

生き残ってるエレンの同期たちも倒さなければならない相手はかつての同期の仲間

なんですから、とにかくこのシガンシナ区の決戦は語りつくせないほどどこまで

いっても残酷な地獄です。

 

しまいには、かつて「何かを得るためには何かを犠牲にしなければならない」と

口走ったアルミンに、人類の、友の勝利のために自分自身を犠牲にする番が回って

きました。非力な彼が捨て身でおとりになったおかげで「超大型巨人」から中身を

引きずり出すことに成功したところで次巻へ続く…。

 

 

…次の巻以降の方がもっと内容の説明に困るらしいことは薄々耳に入っております…

21巻は12月9日発売だそうです。

 

 

↓サイドストーリー小説の収録された小冊子つきの限定版