読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

碧色の旗を掲げ

節操無しのレビューブログ。映画、小説、マンガ、ドラマ、イベント、とにかくマイペースに誉めたり誉めなかったりいろいろ書きたい。

映画「機動戦士ガンダム THE ORIGINⅡ 哀しみのアルテイシア」

映画 アニメ ガンダム

一応、劇場公開していれば映画と言っていいのでしょうか?

 

ファーストガンダムを作画担当安彦良和氏自ら再構成したコミカライズ作品

機動戦士ガンダム THE ORIGIN」中の、運命の兄妹シャアとセイラの

過去エピソードをアニメ化。

機動戦士ガンダム THE ORIGINⅠ 青い瞳のキャスバル」の続編です。

 

今回は本当にアルテイシア=セイラの哀しみづくしです…。

 

機動戦士ガンダム  THE ORIGINⅡ

哀しみのアルテイシア

 

2015年公開   上映時間:58分

原作:矢立肇  富野由悠季機動戦士ガンダム

マンガ原作・総監督:安彦良和  角川コミックス

音楽:服部隆之  キャスト:池田秀一  潘めぐみ  銀河万丈 他

  

 

 

※※※

 

地球の環境汚染が進み、増えすぎた人口を抱えきれなくなった人類は宇宙に活路を

見出しました。数多くのスペースコロニーを建造して人類の大半を送り出したのは

良かったのですが、地球に残った特権階級の人々を中心とする地球連邦政府

スペースコロニーを植民地としか思わず、宇宙移民<スペースノイド>を軽視する

政策や弾圧を続けました。スペースノイドの間には地球連邦政府に対する絶望と

恨みが蓄積されていきます。

 

宇宙世紀0068、地球から最も遠いスペースコロニー郡サイド3<ムンゾ>では

地球から巣立ったスペースノイドの進歩と連邦政府からの自治独立を訴える

政治的指導者ジオン・ズム・ダイクンが急死し、側近たちによる後継者争いが勃発。

ダイクンの遺族…妻アストライア、幼いキャスバルアルテイシア兄妹は

なすすべもなく政争に巻き込まれます。

 

ダイクンの側近だったジンバ・ラルはアストライアたちを保護、擁立しようとしますが

ライバルデギン・ザビとその息子ギレンらの策略によって追い詰められ、失脚します。

窮地にたたされたジンバ・ラルは息子ランバ・ラルとその恋人クラウレ・ハモンの

協力を得て、キャスバル兄妹とともに命からがら逃亡しました。

一緒に行けなかった母といつかまた会える日を信じる兄妹の目の前に、やがて宇宙に

浮かぶ青く美しい地球が現れるのでした…。

 

※※※

 

…という感じのあらすじを大塚明夫ボイスで聴けます。

そしてキャスバル=エドワウ少年が池田ボイスにチェンジしました。前回の

田中真弓ボイスは賛否両論あったでしょうけど個人的に意志の強い子ども役として

悪くなかったと思っています。今回は…池田さんが少年の役をやるのはさすがに…。

 

それはさておき、相変わらず安彦良和氏のマンガの独特の作風がこれでもかとばかりに

再現されていますね。元アニメーター(ガンダム以外のマンガもたくさん描いてる)の

本人自ら指揮をとってますし。幼いアムロ少年やミライさんもサービス出演。

そして麗しく成長しつつあるキャスバルアルテイシア兄妹…。騒がしい幼女だった

アルテイシアも3年経ってかなり落ち着き、行動的な優しい女の子になりました。

 

キャスバルたちはともに地球へ逃れた父ダイクンの遺臣ジンバ・ラルの知人である

スペインの富豪テアボロ・マスに保護され、彼の養子となって「エドワウ・マス」と

セイラ・マス」という新しい名前を授かりました。3年の歳月が義親子の絆を

強めるものの、ザビ家への恨みを捨てきれないジンバ・ラルが密かに巨大軍事企業

アナハイムと接触し、ダイクンの遺児を旗印にした反乱計画を画策。

しかし今や<ムンゾ>を掌握したザビ家の厳しい監視網がそれを許さず、

彼らの居城は刺客に襲われ、ジンバ・ラルを含む多数の犠牲者を出してしまいました。

 

どうにか生き延びたテアボロは旧友シュウ・ヤシマの勧めをうけてザビ家への反抗の

意思が無いことを示すため、エドワウとセイラを連れてサイド3に近いサイド5

「ルウム」のテキサスコロニーへ移り住みます。

 

シュウ・ヤシマから事情を聞いているコロニーの管理者ロジェ・アズナブル夫妻に

温かく迎えられ、また彼らの息子でありエドワウに瓜二つの少年「シャア・

アズナブル」とも親しくなり、ようやく平穏な日々を取り戻すかと思われたマス家の

面々。しかし、ある夜兄妹の母アストライアが亡くなったとの知らせが入り…。

 

 

前作からダイクン夫妻がアルテイシアばかりかまって上の子へのフォローが

足りなすぎる点が引っかかって不安だったのですが、やはり”ガマンするお兄ちゃん”は

相当抑圧されたエネルギーを溜め込んできたようです。アニメ版がカットされてる

だけかもしれませんけど、映画のキャスバルは妹と比べて他者との関わりが極端に

薄いんですよね。妹の飼っている猫ルシファもかまわないし義父テアボロさんとすら

会話らしい会話をしてません。ジンバ・ラルは妄執の塊のような老人になって

ダイクンの思想やザビ家への恨み言ばかり吹き込もうとするし…。

 

それでも懸命に妹を守り、義父に従って一緒に生活していましたが、母親の死の

知らせを受けた彼は明らかに豹変します…。無学で無力であったけれど、

美しくて優しい母だったアストライア。父の死よりも、わが子に再開できぬまま

悲しく寂しい最期を遂げた母親への愛が母や自分たちを苦しめた大人たちに対する

憎悪となり、後々まで彼の行動の原動力になります。

(その行き着く先がマザコンロリコンでシスコンで仮面な変態)

テアボロさんにしても、良い人だけど普通の人だから、彼の心のうちを理解することは

無理だったんでしょう。

 

前作に引き続き、ランバ・ラルそしてその恋人のハモンさんが大いに活躍してます。

ザビ家によってラル家を潰され、父ジンバやキャスバルたちを地球に逃がした後は

美人で酒場の歌手にしてジオン・ダイクンの妻アストライアの友人、さらに諜報能力

持ちな完璧女性ハモンさんのヒモ状態でしたが、ザビ家の良心的存在三男ドズルに

依頼され、地球連邦政府に極秘で開発中のモビルスーツの前身にあたるめっちゃ

ゴテゴテした人型戦闘機械「モビルワーカー」のテストパイロットになりました。

同僚には後に「黒い三連星」と呼ばれる人たち。こりゃ大変だ。老け込むわけだ…

そして彼らがベテランパイロットとしてガンダムの強大な敵となったのも納得です。

 

…まさか15歳の内気なメカオタクのガキに負けるとは思わなかったでしょうね…。

 

しかし、彼らほど極端に濃いものでなくたって人間誰でも一人ひとり乗り越えてきた

人生があるわけで、モビルスーツという金属の鎧に覆われた向こうにいる人間を、

その想いごと消し去らなければ生き残れないのが戦争なのだなぁ…。

そしてニュータイプはただ塵となって消えるはずの人の想いまで受け止めてしまう…。

 

「THE ORIGIN」により脚光を浴びるキャラクターがいれば、逆に割を喰らったのは

キシリアさんですね。もっと冷静で有能な人だと思ってました。

 

 

アルテイシアを置いて旅立つキャスバルの不穏なまなざしを観衆に焼き付け、

「THE ORIGINⅢ 暁の蜂起」へ続きます。

初代劇場版ガンダムのようにⅢ部構成と思っていたら、近々Ⅳを公開するそうで…

さらにⅤも作る気だとかで…。まぁ、安彦御大のお気の済むようにやってください。

 

 

評価:初見で劇中でエドワウが妹を「セイラ」と呼ぶ貴重なシーンがあったと

思って再確認のため観返したのに4回目になってもやっぱりありませんでした…幻聴?

 

 

…あ、「SDガンダム外伝」ならセイラって呼んでます。

 

新装版 SDガンダム外伝 騎士ガンダム物語 ラクロアの勇者編 (KCデラックス)

新装版 SDガンダム外伝 騎士ガンダム物語 ラクロアの勇者編 (KCデラックス)